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ギンダラ|元看護師のわたしがペットロスになった日

元看護師で現在は主婦の山口さくらです。 人間の“看取り”の現場にいた経験がある私ですが、大切なペットとの別れでは、言葉にならない喪失感に直面しました。 このブログでは、看護の知識と自分の感情のあいだで揺れた日々を記録しながら、ペットロスという心のプロセスを見つめています。 同じようにペットとの別れに苦しむ方に、少しでも共感や癒しのきっかけになればという思いで綴っています。

「不思議な体験」は脳の奇跡か、心の救いか?──トップアスリートとペットロスに共通する“至高経験”の心理学

元看護師として働いていた頃、命の最前線では多くの「奇跡」を見てきました。心臓が止まった患者さんが再び目を覚ますこともあれば、医学的には説明のつかない回復を遂げることもありました。 しかし、ペットとの別れを経験した時、そんな医療的な奇跡とはまったく異なる「心の現象」が起きたのです。
──まるで、あの子のぬくもりが今もそばにあるような感覚。

この感覚を、私はずっと「私の心が作り出した幻」と片づけようとしてきました。でも最近、ある研究を読んで少し考えが変わりました。


41名のトップアスリートへのインタビュー調査の結果から、「不思議な体験」は全部で228件が確認され、それらに共通する特徴を検討したところ、「感覚情報」、「ポジティブな感覚」、「無意識」、「一体化・融合」、「時空の超越」、「自然な流れ」、「気」、「体外離脱・他の力」といった8つのグループに分類された。これらの特徴は、「至高経験」と共通していた。

志岐幸子; 福林徹. トップアスリートに起きるいわゆる 「不思議な体験」 ベストパフォーマンス遂行時の状況から. 感性工学研究論文集, 2001, 1.2: 37-46.

トップアスリートが極限の集中状態に入った時、「時間が止まったように感じる」「自分と世界が一体化する」といった体験をすることがあるそうです。研究ではそれを「至高経験」と呼んでいます。
これは単なるスピリチュアルな話ではなく、心理学的にも「フロー体験」や「変性意識状態」として説明される現象です。

私はこの記述を読んだとき、ふと「ペットロスの瞬間に感じる“あの不思議なぬくもり”も、同じ構造なのでは?」と思いました。
失った存在を思う深い集中、感情の高まり、そして“何かに包まれている”ような安心感──それはアスリートの「ゾーン」と驚くほど似ています。

ペットロスの体験談を集めたサイトでも、同じような現象が多く語られています。

スピリチュアル・不思議な体験

亡くなったペットと会いたい!ペットロスの方の体験談
ペットの気持ち占い体験談「病死した愛犬とふたたび会話した奇跡の1日」
あの仔の霊?ペットの死後に起きた不思議な体験を100人に聞いてみた。

ペットロス体験談まとめ:誰かの言葉が、あなたの心を支える

これらの体験を「脳の錯覚」と断じることもできるでしょう。けれども、私が看護師として学んだのは──
“錯覚”であっても、心を癒す力があるなら、それは十分に「現実」として扱う価値があるということです。

トップアスリートの集中状態も、ペットロスの“ぬくもりの記憶”も、どちらも人間の脳が持つ「限界を超えるモード」なのかもしれません。
それは、生きるための自然なシステム。悲しみの中で、私たちは「再び立ち上がるための奇跡」を、心の中で起こしているのかもしれません。

もし今、あなたが大切な存在を失い、説明のつかない“何か”を感じたとしたら──それは「弱さ」ではなく、「あなたの心が生み出した強さ」なのだと思います。

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プロフィール

HN:
山口さくら(元看護師・主婦)
性別:
女性
自己紹介:
病院で長年働き、たくさんの命の現場に立ち会ってきました。
でも、自宅で一緒に暮らしていたペットとの別れは、それまでとは全く違うものでした。

「医療の知識」があっても、心は追いつかず、
「死を受け入れるスキル」なんて、自分にはなかったと痛感しました。

このブログでは、ペットロスを経験した一人の元看護師として、感情・記憶・心の整理を、少しずつ書き残していきます。
どこかの誰かが、「自分だけじゃないんだ」と思えるきっかけになればと思っています。

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