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ギンダラ

ペットロスになっている元看護師の主婦。

虹の橋とペットロス


山口さくらです。ペットロスを解消するものの一つとして、虹の橋の話があります。虹の橋というのは作者不明の詩のことです。
これを読んだところ、ペットロスが解消したという方がいて、ペットロスを解消するための詩として人気です。

今回はこの虹の橋とペットロスについて語りたいと思います。
虹の橋

天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる誰かと愛しあっていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、
みんな暖かくて幸せなのです。
病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、
傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、
元のからだを取り戻すのです。
・・まるで過ぎた日の夢のように。
みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが
ここにいない寂しさのこと・・。
動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。
突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
速く、それは速く、飛ぶように。
あなたを見つけたのです。
あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
そしてもう二度と離れたりはしないのです。
幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、
あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。
そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたけれど、
その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。
それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです・・・。

けれど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。
打ちのめされ、飢え、苦しみ、
誰にも愛されることのなかった子たちです。
仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、
橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。
この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。
地上にある間、そんな人は現れなかったのです。
でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、
誰かが立っているのに気づきます。
その人は、そこに繰り広げられる再会を、
うらやましげに眺めているのです。
生きている間、彼は動物と暮したことがありませんでした。
そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、
誰にも愛されなかったのです。
ぽつんとたたずむ彼に、愛されたことのない動物が近づいていきます。
どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。
そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、
そこに奇跡が生まれるのです。
そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。
地上では巡りあうことができなかった、
特別な誰かさんと、その愛する友として。
今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、
苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。
彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。

いかがでしたか?
気持ちがスッキリしましたか。

これが虹の橋です。これを見てペットロスが解消したという方が実際におられるのです。

虹の橋を読んで、ペットロスが解消したという人の体験談が次です。


31歳男 愛猫をペット霊園で葬式してもらい、気持ちが落ちついた

東京郊外出身の俳優です。

「先生」との出会いは小学校2年生の時でした。

兄の同級生の家で子猫が生まれたと聞き、二人で見に行ったのを覚えています。

アメリカンショートヘアとチンチラの雑種で、トラ猫なのに毛足の長い猫と、短い猫が数匹。

その中でも毛足が短く、一番やんちゃで活発だったのが「先生」でした。

家に帰り、早速両親に飼いたいと駄々をこねましたが、すでに我が家に一匹猫を飼っていたこともあり母に反対されてしまいました。

しかし、数日後その反対したはずの母がまた同級生の母友達に連れられ、一目惚れで連れて帰ってきてしまったのでした。

「先生」の名前の由来は、御飯時にテーブルの上に乗ったおかずを終始諦めずにいる根性が座ったその姿勢を、僕ら兄弟に見習わせようということから「にゃんこ先生」の「先生」が残った形です。

我が家に人の出入りが多かったせいか、先生は自分も人間かのように、お客様が来ても全く警戒心ない不思議な猫でした。

ある年のこと、父が体調を崩し心臓病を患いました。

闘病生活に入った父の面倒を見る母の心はどんどん疲れていきましたが、そんな時に彼女の心の癒しとなったのは先生の存在でした。

しかしその時ですでに先生は15歳、すでに猫としては随分な年寄り猫になっていたのです。

そして父が亡くなった直後、自分の仕事を終えたかのように先生は順番に体調を崩し、あとを追うように天国へ旅立ちました。

そしてその瞬間、これは今でも本当に信じられない光景なんですが、家の前に二本の虹がかかったんです。

家族で泣きながらその虹を見、その夜に先生の葬儀を行いました。

ペットの火葬場で行われたお葬式は、なんだか少し無駄にムーディな音楽などが流れ過剰な演出がありつつも、しっかりお骨の説明などもしていただき、ちゃんと供養することができました。

火葬している間待合室で待っていると「ペットが渡ってくる二本の虹のお話」という絵本がそこにありました。

つい先刻その光景をリアルに見たあとだったので驚いたのですが、先にその虹の橋を渡り買われていたペットは飼い主の魂をそこで待っているという内容だったと思います。

家族でその話を見て、先生はきっと虹の向こうで待っていてくれてるんだねと話してまた泣いたのでした。

その1週間後、僕の娘は産まれて来ました。

2本の虹は、飼い主を待つための虹ではなくて、新しい命をバトンタッチでこちらに送るための虹だったようです。
(引用元:虹の橋を読んでペットロスを克服した人の体験談

引用元にたくさんの体験談があるので、必要であれば参考にしてください。

いかがでしたでしょうか。虹の橋という話があり、これで実際にペットロスが解消したという方がおられることはわかったと思います。

ただ虹の橋は万能ではなく、効果があった方となかった方が存在します。
これはなぜなのでしょうか?

『人生観によるペットロス, ペット葬の関係について』という興味深い論文がありました。

こちらの研究は性格のタイプを4つにわけ、それぞれのペットロスに陥りやすさを説明したものです。


心理尺度では"協同努力型人生観""多彩型人生観""信仰型人生観""金銭重視型人生観"の4因子が抽出された。"協同努力型人生観"は最もペットロスに陥りやすく,"金銭重視型人生観"はペット葬に反対であり,女性の方が男性よりもペットロスに陥りやすい結果が示された
(引用元:得丸定子; 佐藤英恵; 郷堀ヨゼフ. 人生観によるペットロス, ペット葬の関係について. 上越教育大学研究紀要, 2010, 29: p257-268.


もし人のタイプによりペットロスの解消の具合が変わるなら、性格タイプにより、ペットロスが解消する方法論すら変わってくるのではと思いました。

実際にペットロスの方を沢山あつめ、分類しテストしてみれば、答えはでるのでしょうが、あいにくそのような環境にありません。

なので単に仮説ではありますが、論文を見たところ、虹の橋が効果がでるのは、第3因子の信仰型人生観群だと思いました。

第3因子"信仰型人生観"群は,ペットロスに関する項目すべてにおいて,有意差が見られなかった(表2)。宗教の本質にはスピリチュアリティがあるが,スピリチュアリティを持つ人は悲嘆の乗り越えが容易であると述べられており(12),そのことはこの結果にも表れている。つまり,この人生観群は,大いなる存在を実感し,人生の苦難を肯定的に受け止めることができやすく,ペットが亡くなった喪失感についても,大いなるものとの内面的な対話を通して癒しを得て,ペット喪失から生じる様々なストレスに比較的強く,精神的に安定し,寂しさやむなしさを乗り越えられ易いのかもしれない。
(引用元:得丸定子; 佐藤英恵; 郷堀ヨゼフ. 人生観によるペットロス, ペット葬の関係について. 上越教育大学研究紀要, 2010, 29: p257-268.

そもそも虹の橋の話自体が、天国でのお話で、信仰的なニュアンスが含まれています。

そして今回提示した体験談では、猫の永眠と共に、2本の虹がかかりました。
その神秘的な情景にプラスし、葬儀場での絵本。。そして娘の誕生

これは『大いなる存在の実感』として成立します

体験談の彼にまったく信仰心がなければ、虹をお知らせだととらえず、たんなる自然現象だと捉えてでしょうし、葬儀場での絵本にも目をむけず、娘の誕生にも、予定日だからと片付けたでしょう。

しかしながら彼は信仰型人生観群だったため、この現象の全てに意味づけをしました。この行動により、ペットロスが解消したのかもしれません。


一方最もペットロスに陥りやすい"協同努力型人生観"に対して虹の橋が効果があるかというと疑問です。

なぜならペットロスの体験談が数多くあるペットロスちゃんねるを見ても、虹の橋でペットロスが解消したとするのは、かなり少数派だからです。

もし虹の橋がペットロスに圧倒的に効果があるのであれば、もっと沢山体験談があってもよさそうなものだし、特効薬として心療内科の現場でも使われてもよさそうなものですが、そうではありません。

以下は第1因子"協同努力型人生観"群に対しての記述です。
第1因子"協同努力型人生観"群の学生は,「ペットを失った時の状況」の質問項目である「あの時こうしていればよかった,という後悔があった」や,「他のペットも亡くなってしまったらどうしようと不安になる」,「誰かに話を聴いてほしい」,「代わりのペットを飼いたい」において,高群が有意に高い結果を示した。この因子群の人生観は「集団や社会に参加したい」「努力をする人間でありたい」「控えめに生きていきたい(逆転項目)」等であり,周囲の人や状況と協調を保とうとする人生観を持つ。それ故,ペットを失った喪失感の心情を他の人と分かち合い,交流を求めたり,喪失感から来るむなしさを埋めるために他の人との交流で埋め合わせようとするにもかかわらず,努力し育ててかわいがっていたペットが亡くなった時,その責任を自分自身に向けて自分を責め,結果として,喪失感や不安感が強くなったりするのではないかと考えられる
(引用元:得丸定子; 佐藤英恵; 郷堀ヨゼフ. 人生観によるペットロス, ペット葬の関係について. 上越教育大学研究紀要, 2010, 29: p257-268.

協同努力型人生観群の場合は、もっと他の対処方法があるのではと思いました。

一度虹の橋を読んでみて、効果が出たらOK そうでないのなら、別のアプローチが効果があるのかもと柔軟に考えてみるといいのではないでしょうか。
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