ペットロスになっている元看護師の主婦。
看護師として患者の最期に立ち会ってきた経験がある人なら、家族の後悔や悲しみを間近で感じたことがあるだろう。そして、その後悔はペットを失ったときにも同じように襲ってくるものだ。最期の時間をどう過ごすか、その選択によって心の整理の仕方も変わってくる。
家族が終末期を迎えたとき、多くの人が後になって「もっとこうすればよかった」と考えてしまう。その後悔の多くは、「時間の共有への努力」や「生活の中での優先順位」といった、不確実な要素が絡んでいる。
特に、「時間の共有への努力」や「生活の中での優先順位」に含まれる項目は、不確実な要素が多い中での時間の過ごし方や日常生活との折り合いの付け方に関するもので、終末期の患者の家族特有の後悔であると考えられる。
塩崎麻里子; 中里和弘. 遺族の後悔と精神的健康の関連: 行ったことに対する後悔と行わなかったことに対する後悔. 社会心理学研究, 2010, 25.3: 211-220.
このように、最後の時間をどう過ごすかによって、後悔の形も変わってくる。「もっと一緒にいたかった」「最期の言葉を伝えられなかった」など、残された者の心に長く影を落とすことも少なくない。
人間の最期だけでなく、大切なペットを失ったときにも、同じような後悔の念に苛まれることがある。特に飼い主が病気や入院中だった場合、ペットの最期に立ち会えなかったことが心の傷となることが多い。
飼い主が病気や入院中にペットを失うと、以下のような感情に苛まれることが少なくありません。
- 後悔:「もっと早く退院していれば」「側にいてあげられなかった」という後悔。
- 罪悪感:ペットが孤独の中で最期を迎えたのではないかという罪悪感。
- 喪失感:ペットと過ごした日々が突然終わったことへの深い悲しみ。
飼い主が病気や入院中に亡くなったペットへの思い
こうした後悔を軽減するためには、ペットが健康なうちからしっかりとケアをし、万が一のときの対応を考えておくことが大切だ。例えば、信頼できるペットシッターや家族に世話をお願いするなどの準備をしておくと、不測の事態にも対応しやすくなる。
家族の最期にしても、ペットの最期にしても、大切なのは「今」をどう生きるかだ。以下のポイントを意識することで、後悔を少なくすることができる。
後悔のない別れは難しいかもしれない。しかし、事前の心構えと行動次第で、残された時間をより良いものにすることはできる。人生や愛する存在との関係を大切にし、日々を後悔なく過ごしていこう。